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■『志音(SHION)』【小説】 
2005 12 06
Tue 17:57:17

オリジナル小説  Comment 0  Trackback 0  edit.

第一章「序章?はじまり。」
西暦2215年。
人類は重力という鎖を解き放ち、無限の空間が広がる世界へと足を踏み出していた。
人々はその住処を地球だけではなく、地球を中心としたスペースコロニー群そして火星にも同じようにスペースコロニーを含めた火星圏、さらにその先のアステロイドベルト、木星の衛星エウロパにも新たな居住圏を築こうとしている。
とりわけ木星の衛星エウロパには木星の重水素ヘリウム3採掘を主とするエネルギープラントの制御施設などが建設され、地球人の宇宙進出に多大な貢献をしていた。

だが大きな力を持った人類は、その力の独占を図ろうとあらゆる手段で闘争を繰り返し、何度か大きな危機を招いた。
そんな中双方の心ある者達の努力によって力の均衡を図る手段として第3の勢力中立の立場でエネルギー資源を確保、運営する共同機関が設立された。

それがS.U.G.(SPACE UNITED GUARDIANS)。

オープンな組織の運営、人種、職種を問わずあらゆる分野からの人材登用などその働きはめざましく、資源の確保・運営ばかりではなく、地域紛争や疫病災害などあらゆる事態にも対処出来るほどの科学力・技術力を有する組織へと今でも成長を続けている。

そんな中、安定と平和を手に入れた人類に次なる飛躍をもたらせるであろう新しいエネルギーが木星のヘリウム3採掘プラント・JH3-053に於いて木星大気の中から発見された。
そのエネルギー物質はゴルフボールほどの大きさでも、今人類が手にしているエネルギー総量の200年分を賄えるほどすさまじいエネルギーを有していた。
S.U.G.はその物質の研究のため、月軌道上に新たな宇宙ステーションを建造し新しいプロジェクトが組まれ、多くの優秀な科学者が集められた。

まだ未解決な部分が多く研究成果が待たれるこのプロジェクトのため設備不足な木星の衛星エウロパより、1センチ画のサンプルが最新のシャトルにより輸送されることになった。

その搭乗員としてS.U.G.地球支部から精鋭のパイロット、レイ・ナゼル、医療担当ユリカ・セツナ、火星支部からサブパイロット兼エンジニアのシオン・セツナ、三名が選ばれた。

シャトルには最新の医療機器、工学機器、探査機器、防衛機器などが積まれあらゆる事態に対処できる装備が惜しげも無く使われている。
最新の宇宙船とは言え、木星からの輸送には6ヶ月間と言う長期な航行である。
途中、隕石群や宇宙線、太陽フレアなど色々な問題が彼らの航行を妨げたがその難問をくぐり抜け今彼らは最終目的地、月軌道上の宇宙ステーションに2万キロと迫っていた。

「レイ、やっと無事任務を達成できそうだな。」
「あぁ。」

パイロットのレイとサブパイロットのシオン、二人の男同士言葉少ない会話だったが友情と言う名の絆に結ばれた二人にはお互いの安堵の気持ちが伝わっていた。

「しかし6ヶ月も一緒にいるとあの頃を思い出すよな。」
「S.U.G.の寄宿舎だろう。あの頃はお互い同じチームでトップを争って居たっけ。」
「で、お前が最優秀候補生に選ばれ地球支部へ、俺は火星支部。まぁあれはあれで良かった気もするがな。」
「あれは、シオンお前がサバイバル訓練の時、教官の命令を無視したからだろう。まぁチームの一人も脱落者を出したく無かったお前の気持ちはわかるけどな。」
「でも殴ったお陰で俺には違う道が有るって気づいたんだけどな。」
「あぁ、さすがに俺でもお前が火星支部の工学部主任になるとは思っても見なかったよ今じゃ俺より階級が上なんだからな。」
「はははぁ?やっぱり俺の方が一枚上手だって事よ!」
「解った解った、俺の負けだよ。はははははぁ。」

任務の終了間近からくる安堵からか二人のうち解け合った笑いが操縦室を満たしていた。

《グイィーン》
操縦室のドアが開き機器の最終チェックにいっていた3人目の搭乗員、ユリカ・セツナが帰ってきた。

「なにぃ?また任務中に男同士で高笑い。ちょっと不謹慎よ。」

二人の男をからかうかの様にユリカが機器チェックのデータをメインコンピュータにデータ転送している。
このシャトルで彼女は医療担当の他にもエネルギー物質サンプルが格納されているコンテナ制御システムのチェックを主に担当している。

「ユリカ、今日の気分屋さんの状態はどうだ?」
「えぇ、少し機嫌が悪そうだけどちゃんとおとなしく寝てるわ。」

航行中に何度か異常な反応を示していたエネルギーサンプルは宇宙線の影響を受けまるで生き物のような反応を示していた為、シオンはいつも人称で呼んでいた。
そんな兄のシオンの影響か、ユリカもまるで赤子の様にエネルギーサンプルと接している。

「お前達って兄妹だけあって似た性格してるよな。」
「ひどいわ!レイ!私はこんな軽い性格じゃ無いわよ。」
「おいおい!俺をだしにしてこんな所で夫婦喧嘩をするな。はははぁ」
「兄さん!!」
「おい!シオン!!おっ俺はそんな・・・・」

お互いに気があるユリカとレイは、夫婦喧嘩と言われて二人とも真っ赤な顔をしていた。
そんな二人を思ってかさらに追い打ちをかけるシオン・・・・。

「なんだなんだ?お前ら6ヶ月間も一緒に居てまだお互いの気持ち言ってないのか?」
「なに言ってるのよ!これは大事な任務なのよ。個人的な事は任務が終わってから!それにレイだって困ってるじゃない!」
「えっ?今なんて言った?愛の告白は任務が終わってから?えっ?どうなんだ?レイ。」
「もう?!兄さんたら!!」

シオンがユリカをからかうように言うと、レイとユリカは益々顔を真っ赤に染めている。
レイはシオンの言葉をはぐらかす様にコンソールの点検を始めた。
その時、月軌道上の宇宙ステーションから連絡が入ってきた。

『こちらは宇宙ステーションSUG-09。特別輸送シャトルJ9-1203応答せよ。こちらは・・・』

「ステーションからの連絡だ!」

そう言うとすかさずレシーバーを取り応答の準備をするパイロット・レイ。

「こちらは特別輸送シャトルJ9-1203。こちらは特別輸送シャトルJ9-1203。ステーションSUG-09レーザー回線を開く。」

レーザー回線が繋がりメインスクリーンに映像が映し出された。

『了解。J9-1203。私は通信担当官のエジェル・ガトーです。長旅ご苦労様でした。ステーションを代表して貴船の到着を心待ちにしておりました。』
「こちらはJ9-1203メインパイロット、レイ・ナゼル。歓迎のお言葉ありがたく頂きます。」
『ナゼル少佐。ステーションではあなた方の帰還をお祝いしてパーティの準備をしています。家族の方々もステーションに待機して到着を心待ちにしていますよ。』
「ありがとうございます。感謝いたします。」
『ナゼル少佐、ベーグルだ。任務ご苦労。我々司令部も歓迎するよ。』
「これはベーグル司令長官!司令長官直々のお出迎え恐れ入ります。」
「ベーグル司令長官!火星支部工学部主任のシオン・セツナです。私からもお礼を申します。」
『おぉ!セツナ中佐!君の噂は聞いているよ。S.U.G.始まって以来の逸材だとな。』
「恐縮です!ベーグル司令長官殿からそのようなお言葉、直に頂けるとは恐れ入ります。」
『そう言えば紅一点のユリカ君は元気かな?』
「ここにいますよ!司令長官!ユリカ・セツナです。私からも歓迎のお礼を申します。一日も早く長官の定期検診を楽しみにしています。」
『おぉ!ユリカ君!相変わらず手厳しい主治医だな。あはははは。』
「長官は私が言わないと定期検診受けてくれませんからね。」

ユリカは長官をからかいながらクスッと笑って見せた。

『何はともあれこうして無事地球圏まで辿り着いたんだ、無事任務が終わったらユリカ君の言うままにするよ。』

そう言うと強面の司令長官ベーグルのしわくちゃな笑い顔がメインスクリーンに映し出される。

『では歓迎パーティで会おう!諸君。』
「はっ!」

そう言って三人はメインスクリーンの司令長官に敬礼をした。


GO to Next02......

ジャンル [ 小説・文学 テーマ [ 連載小説 ]

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