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■『志音(SHION)』【小説】 
2005 12 06
Tue 17:58:53

オリジナル小説  Comment 0  Trackback 0  edit.

第一章「序章?はじまり。」
Next02.......
『それでは少佐、ドッキングプログラムを起動しますのでシステムをリンクに設定して下さい。』
「了解した。システムをリンクに設定する。」

ドッキングプログラムとは、宇宙時代の本格的運用が始まってステーションやコロニーなどへのシャトル自動誘導システムである。
宇宙船の減速や姿勢制御、ドッキングなど全ての作業を人の手では無くステーションなどに装備されているコンピュータによって全自動化されパイロットはその難しい作業から解放される。

『プログラム起動を確認しました。それではドッキング完了までごゆっくりどうぞ、少佐。』
「ありがとうエジェル。」

シャトルのシステムをステーションへ委ねた事によって全てのオペレーションを終了した事を三人は実感していた。

「それにしても今回の6ヶ月間は長いようで短い任務だったよな。これで又3人バラバラになると思うと少し寂しいよ。」
「そうだな。シオンが火星支部に配属されてからあまり三人で会う事も無かったし、それぞれの任務に又戻るのかと思うと少し残念な気分だよ。」
「お前達二人は邪魔な俺が居なくなって良かったんじゃないか?」
「兄さんたら・・・・・」

オペレーションの終了が兄とのしばらくの別れで有ることを思うと、今のユリカにはそんな兄の意地悪も何となくうれしい気持ちになれた。

「そうだ!シオン!このオペレーションが終わったらしばらくは休暇が貰えるんだろ?だったら3人でどこか旅行にでも行かないか?」
「そうだな・・・・3人で旅行も良いけど今回はパスするよ。二人でゆっくりしたいだろうから。」
「なんだよ!パスって!シオン!なんか予定でも有るのか?」
「レイ、兄さんは地球で待ってる人が居るからそんな時間ないって!」
「待っている人?」

ユリカのその言葉にレイは理解できなかった。

「待っている人ってどういうことだよ!シオン!俺に報告もなしに誰と付き合ってるんだ!」
「なに言ってるんだよ!メッセージお前にちゃんと送っただろう!」
「何の事だよ!?受け取ってないぜ。」
「えっ?・・・・このオペレーションの前、お前の所にちゃんとメッセージ送ったぞ。」
「このオペレーションの前・・・って!それじゃ俺はアステロイドで飛行訓練受けていたぜ。」
「そうか!じゃ!メッセージ見られる訳ないか。道理でおかしいと思ったんだよ。この六ヶ月間お前がエレシアーヌの事に一つも触れないから。何だそう言うことだったのか。」
「なんだよ!エレシアーヌって・・・・・あっ!エレシアーヌってあの子か!?アカデミー時代に知り合ったあの女の子・・・待てよ!あの子ってまだ子供じゃ・・・」
「おいおい!いつの話してるんだよ。エレシアーヌはもう20歳だぜ!」
「あぁ・・そうだよな。俺はあの頃のエレシアーヌしか知らないから・・・と言うよりいつの間にそう言う関係になったんだ!シオン!」

レイは自分の知らない所で無二の親友に恋人が出来ていた事に少し寂しい気分を感じていた。

「改まって話すのもなんか照れくさいけど・・・まぁいいや!ちゃんと話すよ。」

シオンは今更と言う感じで照れくさそうに話し始める。
そんな兄の姿を見るユリカは微笑ましく思えた。

「そうだな?どこから話そうか・・・・・
 え?と去年の創立記念祭パーティーが地球で開かれたの知ってるよな。その時俺は火星支部の代表メンバーに選ばれて式典に出ていたんだ。その時エレシアーヌの兄、ラスターが地球圏統合政府の外交書記官として式典に参加していたんだよ。その時エレシアーヌも一緒に来ていて、俺は全く気が付かなかったんだけどエレシアーヌの方から声をかけられ、実際驚いたよ。あのおチビさんがまるで別人の様に綺麗な令嬢姿だったんでな。
 それから連絡し合う様になって・・・・レイにも何度か知らせよと思ったんだけどお前その頃から任務でステーションに居なかっただろう?だからなんか隠し事してる様でそれでオペレーション前に話しておかないとなに言われるか分からないと思ってメッセージ送って置いたんだ。」
「そうか?、あのエレシアーヌがね・・・・」
「ユリカは知っていたんだろ?だったら定時連絡の時でも一言言ってくれれば・・・・」
「だって!兄さんとレイの事だからとっくに話しているだろうなと思って何も言わなかったのよ。それに何!レイはエレシアーヌの事がそんなに気になる訳?」
「いっいや!そんな事はないよ・・・・ただ・・・・」
「ただ何!!」

ユリカの怒った顔を見てレイはこれ以上何も言えなくなっていた。
そんな三人のたわいない時間をあざ笑うかのように突然、緊急アラームがシャトルに鳴り響いた!

《警告!警告!レベル9の太陽フレアが発生!クルーは直ちに緊急避難プログラムに従いコアブロックへ待避!警告!警告!レベル9の・・・・・・・》

突然の緊急アラームに三人は一瞬で現実の時の流れに戻されていた。

「レベル9の太陽フレアかぁ・・・・かなり大きいな。」
「ステーション!これより緊急待避プログラムに沿いコアブロックへと移動する。よってシャトルの全システムのコントロールをそちらでお願いする。」
『了解しました、少佐。これよりシステムをフルリンクに変更します。』
「レベル9と言えばかなりの放射線が襲ってくるわ。サンプルに影響が出なければ良いけど・・・」
「今はそれを考えても俺達にはどうしようもない。」
「そうだけど・・・・・」

頭の中に不安が大きく膨らんでくるのがユリカは感じていたが、今の状況では何も出来ない事も自分自身分かっていた。

三人は太陽フレアの放射線を避けるため、隔壁に守られたコアブロックへと急いで待避する。

巨大な宇宙ステーションなどでは構造自体が人体に有害な宇宙線や放射線から身を守る様になって居るがシャトルや宇宙船では船体自体で完全に防ぐ事が設計上無理な為、こういった非常時に備え専用の隔壁に覆われた避難ブロックを装備している。
避難ブロックを持たない戦闘機や小型の宇宙船では巨大な物体の影に避難するか隕石などの影に隠れ有害な放射線から身を守る必要がこの宇宙では必要不可欠な物であった。

《放射線レベルが許容範囲に戻ったため太陽フレアによる警報を解除します。繰り返します。・・・・》

3分程度の緊迫した時間が過ぎ去ろうとした時、放射線レベルが許容値まで下がったのをセンサーが関知し警告解除のアラームが三人のクルー達に新たな任務の時を伝えた。

「こちらシャトルJ9-1203、これよりシャトル及びエネルギーサンプルコンテナの点検に入ります。それに伴い今後の連絡はトレーサーによって行いますので回路をあけてください。」
『こちらステーションSUG-09。了解しました。メインコントロールへのアクセスをフルオートにします。』
「了解!」

三人は緊急マニュアル通り、レイはシャトルのダメージチェック、シオンは放射線によるシャトル及びコンテナのシステムチェック、ユリカはエネルギーサンプルの制御装置のチェックへとそれぞれ分かれていった。

「こちらユリカ、現在エネルギーサンプルのセンサーをチェック中、熱量異常なし、放射線レベル 0,5パーセント上昇特に問題なし、固定用磁場レベル1,3パーセントダウン、複合センサー・・・?!
 複合センサーに異常数値!クオークの大量発生を関知!今現在2500!尚も上昇中!・・・・・
 原因は太陽フレアからの膨大な放射線と推測されるが・・・・・分からないわ!熱量、放射線、中性子とも他のセンサーには異常が無いのにクオークだけが発生している・・・・」
「ユリカ!落ち着け!今シャトルのセンサーも確認する。センサーの故障とも考えられるからな。」
「こちらレイ、シャトルの船体には特に異常はない。右舷ブースターへの燃料供給ポンプに一時不安定な現象が見られたが今は通常に戻っている。これより船体チェックを終了しこのままエネルギーサンプル格納コンテナに向かう。」
「了解した。レイ。こちらはクロムにより船体外部の点検作業に入る。サンプルの制御は二人で頼む。それとユリカ!こちらでもクオークを関知した。それによりセンサーの異常では無く確かにクオークのみが大量発生していると確認できた。現在7500尚も上昇・・・・・・こっ!これじゃまるで恒星みたいじゃないか・・・・・」

シオンは自分の目を疑い何度もモニターの数値を確認していた。

「こちらユリカ!今固定用磁場のレベルを上げて見たけど効果は無いわ。凄い勢いでレベルが上昇していく・・・・どうしたら良いと思う?兄さん!」
「そうだな・・・・出来る限り木星大気にフィールドを近づけて見たらどうだ?」
「そうね!それじゃ木星大気組成データを元に再構成してみるわ。これで治まれば良いけど・・・」
「とにかく未知の物質である以上あらゆる手段を試してみる以外方法が無い。
 それにクオークの発生メカニズム自体我々には全く分からないんだ。」
「こちらレイ。今コンテナに着いた。これより二人でフィールドの再構築を行う。
 シオン!シャトルのセンサーをフル稼働してモニタリングを頼む!」
「了解した。何とかしてレベルの上昇だけでも抑えてくれ。」
「あぁ分かってるよ、何とかやってみる。」

二人は必死にフィールドの調整器を操作し再構築を試みていた。

一方、操縦室でシャトルの外壁をマルチ機動ユニット【クロム】に船外調査させていたシオンはクロムから送られてきたデータにより、右ブースター周辺に亀裂が発生している事を知る。

「こちらユリカ。フィールドの再構築完了、依然クオークの発生は抑えられないけど多少なりとも効果はあったみたい・・・・」
「ユリカ、サンプルはヘリウム3採掘層から発見されたんだからもう少しヘリウム3の濃度を上げてみたらどうだろう?」
「そうね!ヘリウム3と何らかの因果関係が有れば効果は有るかも・・・・」

そう言ってユリカはヘリウム3の濃度を上げた。

「成功だわ!クオークの上昇が治まっていくわ!このまま徐々に下がってくれれば安全よ。」
「やったな!ユリカ。」
「えぇ!」
「レイ!シオンだ!今クロムに船外調査をさせていたんだが、右ブースター周辺に亀裂を発見した!
 今、クロムに応急処置をさせているが完全に修復する時間がない!このままでは減速時の衝撃に右ブースターが持つかどうか・・・・」
「了解したシオン!・・・・ステーションSUG-09、エジェル!聞いての通りだ。船体の損傷データをそちらで検討して減速時の衝撃を最小限に抑える設定を頼む。」
『レイ少佐!こちらでも損傷データを元に再計算中です。それによるとこれ以上、衝撃をかけると右ブースターの基底部分が破損する恐れが有ります。ブースターでの減速ではなく船体を反転させメインブースターでの減速を数回に分けて行うと言う方法が最良かと思われますが。』
「分かった。減速作業の手順はそちらに任せる。準備が出来次第報告を頼むよ。」
『分かりました。シオン中佐、ステーションでの減速作業では時間的ずれによる障害が予想されます。こちらでのデーターをシャトルに送りますのでそちらで随時実行してください。』
「こちらシオン!了解した。こちらの準備はOKだ!」
『では減速開始まで30秒。シオン中佐、レイ少佐、準備は良いですね?カウントダウンを続けます。』
「ステーション了解した!」

シャトルはステーションから送られてくるデーターを元に減速作業が行われていく。
姿勢制御スラスターにより船体を反転させ今メインブースターによる一回目の減速が行われる。

《ゴゴゴゴッ・・・・・・・・》

ブースターから小刻みに伝わってくる振動・・・・・・三人のクルーは不安な面もちで成り行きを見守っていた。

『現在シャトルの速度、10パーセント減速終了。』

同じ行程が何度か続けられる中、シャトルの右ブースターでは、マルチ機動ユニット・クロムによる補修作業が行われている・・・・
だがそんな緊迫した作業の中で彼らも知らない危険が徐々に進んでいた。
何度か繰り返されるメインブースターによる減速は亀裂が発見された右ブースター基底部の外壁と内壁の間を走る燃料バルブに微細ながら亀裂を加える結果となっている事を誰も知る由も無かった。

亀裂はさらに大きさを増し燃料の圧力がその亀裂を拡大させついには燃料がまるでメインブースターからの振動に併せるように少しずつ吹き出し始めた。

そんな燃料が充満し始めた事を察知できずクロムは黙々と船体亀裂のレーザー溶接を続けていた。

《ドッドーーーンーーーーー!!!》

突然起こった激しい爆発の衝撃!

「どうした?!今の爆発は?」
「レイ!大変だ!右ブースターの外壁が何かの爆発で吹っ飛んだ!!」
「なんだって!!!???」
「今、船外作業中のクロムのレーザーが何かに引火したようだ!クロムは無事だが外壁が吹き飛んだ衝撃で内壁にまで亀裂が発生した模様だ。今損傷の状態を調べさせている!」
『レイ少佐!今の爆発でシャトルのメインブースターへ送る燃料バルブが破損した様です!これ以上の減速は不可能かと・・・・・
 でも減速は50パーセント終わっていますので直接のステーションとのドッキングは出来ませんが一度地球周回軌道コースに入りシャトルの応急処置を行いその上で改めてステーションへのドッキングコースを取る方が得策だと思われます。』
「やむ終えないな。了解した!ステーション、これより地球周回軌道コースを設定、継続して応急処置に入る。」
「参ったな・・・シオン!聞いての通りだ!俺はブルームを連れてメインブースターの燃料バルブ修理に向かう。」
「レイ!了解した!」
「それでエネルギーサンプルの状態はどうだ?」
「あぁ、サンプルの方はクオークの上昇は止まった。今ユリカがフィールドの微調整を行ってレベルを下げようと試みているよ。」
「そうか了解した。それじゃこちらは引き続きクロムに亀裂が走った内壁をどの程度補修できるか再調査させてみる。」
「あぁ、そちらは任せる。」
『シオン中佐。地球の夜の部分に入ってしまうとステーションからの誘導が出来なくなります。詳しいデーターをシャトルのメインコンピュータに送りますのでそちらでコースの再設定をしてください。』
「ステーション了解した。こちらで出来る限りの事はやってみるがサポートはお願いする。」
『はい。こちらでもシャトルを随時トレースしてデーターを送ります。』

ステーションとのドッキングコースから反れ、今シャトルは地球周回軌道へのコースを取り始める。
シャトルは今の速度でも13時間で地球の周回軌道へと入る事になり、三人はその13時間をフルに使ってシャトルの応急修理を行っていた。

「どうだ?シオン!」
「思った以上に内壁のダメージは大きいようだ・・・何とか燃料漏れは止められたが内壁の亀裂を塞ぐには目一杯かかりそうだよ。」
「そうか。内壁さえ補修が済めば何とかメインブースターの衝撃には耐えられるだろうから何とか一安心って所だな。」
「バルブの修理はどの程度かかる?」
「それならメインブースターへの燃料供給パイプを交換するだけだから1時間も有れば終わるよ。」
「ユリカ!そちらはどんな具合だ?」
「今の所レベルの上昇は止まっているわ。今磁場の強度を上げてレベルを下げられるか試して居る所よ。時間はかかるけど何とかなりそうだわ。」
「それなら何とか危機は脱したと言うところだな。」
「あぁ、まずは一安心だが、正直今までの6ヶ月間以上に疲れたよ。」
「あぁ、ほんとだ。」

三人はそれぞれに地球周回軌道到着までの13時間、ひと時も休む事無くシャトルの応急修理に追われていた。
しかし先ほどの爆発の影響か、メインブースター3基のうち2基が破損していたが1基は破損した2基からの部品を流用して何とか使えるまでに修復されていた。
彼らの働きでシャトルは辛うじて減速の準備を整え、今地球の周回軌道へと入っていく。
13時間フルに応急修理に追われ疲れ切った3人にさらなる障害が手ぐすねを引いて待っている事にこの時点では誰も察知する事は出来なかった・・・・・・。

「レイ。そろそろ周回軌道だな。」
「あぁ、何とか修理も終わってこれで帰れそうだな。」
「あぁ・・・・」

疲れ切った体を奮い起こすように最後のミッションへと三人は進んでいく。

シャトルは静かに地球の周回軌道へと入ってきた。
青く輝く地球が彼らを優しく見守るように漆黒の宇宙に浮かんでいる。
その昼と夜の部分は三人に一時の安らぎと平安を与えていた。

「地球かぁ、いつ見ても綺麗だよな。」
「あぁぁ・・・」

シオンとレイがその美しい景色に目を奪われているその時!

「レイ!シオン!大変よ!エネルギーサンプルが・・・・」
「どうした?!ユリカ!」
「サンプルが突然光り出したの!センサーにも測定できない・・・・光・・・・」
「ユリカ!今そっちへ行く!シオン!後は頼んだぞ!」

そう言ってレイは、ユリカの身を案じながらエネルギーサンプルコンテナへと急いた。

「見て!レイ!とっ、突然光り始めたの!今の今までこんな現象は無かったのよ!」
「こっ!これは・・・・・」
「まるで何かに呼応するかの様に光が強まったり弱まったりしているわ。」
「まるで生きているようだ・・・・・外部からの影響なのか?」
「分からないの。シャトルのセンサーにもコンテナのセンサーにも何一つ異常が見あたらない・・でもこうやってサンプルは光を発しているわ。クオークのレベルだって上昇が止まったまま安定している・・・・」
「どうなっているだ・・・・」

二人は呆然とその謎の光に見入るだけだった。

「どうした?ユリカ!レイ!何があったんだ?」
「シオン。分からない・・・一切のセンサーに何も反応が無いのに・・・光だけが・・・」
「待っていろ!俺もすぐそちらへ行く!」

シオンはシャトルのモニターを確認したがそこにも何の異常も検出されていない。
それを確認してシオンは急いで二人が居るコンテナへと向かった。

「何?!歪んでる!くっ空間が・・・・」
「何だ!これは・・・・・ユリカ!離れるんだ!何が起きるか分からない!」
「えぇ・・・・」
「シオン!コンテナが・・・・空間が歪んでいる・・・」
「どうしたレイ!!?」

レイはまるで光に魅了されているかの様に動こうとしないユリカの腕を強く引きコンテナから脱出しようとしたその時!

光り輝くサンプルはまるで昼と夜が一瞬で反転するかの様にその姿を変え暗黒の光で空間を飲み込み始めた・・・・まるでブラックホールの様に・・・・・。
やがてその暗黒の光は周囲を呑み込み今まさに標的をユリカに絞ったか、全身を包み込もうとしている。

「ユリカ!!」
「レイ・・・・・・」

まるで意識を持った様にその暗黒の光はユリカの体を覆い尽くした。

「ユリカ!!」
「シオン!来るな!ここは・・・・」
「どうした?レイ!ユリカ!」

暗黒はユリカの体を呑み込むと、あっという間にレイの姿を捉え、ついにはシャトルをスッポリと被い込むようにその大きさを増していった。

「レイ!ユリカ!」

やがてその暗黒の光は、まるでシャトルを呑み込んで満足でもしたかの様に自らもその暗黒に呑み込まれるように小さくなっていく・・・・・
ちょうどその暗黒が地球の夜の部分にさしかかったその時!

《カッ!!》

極限まで小さくなったかと思った瞬間!
その暗黒はまばゆいばかりの光を放ち、まるで真昼のように夜の大地を照らしだしそして何事も無かったかの様に静寂の中を消えていった。





『こちら宇宙ステーションSUG-09!特別輸送用シャトルJ9-1203応答願います。こちら宇宙ステーションSUG-09!特別輸送用シャトルJ9-1203応答願います。レイ少佐!こちらはSUG-09,エジェル・ガトーです!応答願います!少佐!・・・・・・・』

ステーションからの通信は確かにそこに居たはずのシャトルを探して駆けめぐっている・・・
だがそこには何もない・・・・・
ただ空しく呼びかけるエジェルの声だけがその空間を彷徨っていた・・・・・・。


第一章 『序章?はじまり。』Fin.


第二章 『生存?それぞれの刻・シオン編』へ.....

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