イラスト講座 『人物画』 |
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素人である自分が『イラスト講座』などとおこがましい事ですが、これからイラストを描いてみようと思っている方へ少しでもヒントに成る事が出来ればと、そんな気持ちで始めてみようと思います。
第一回から【自分感覚のビーナスを描く】とちょっと基本からでは無いですが、まずは私が人物を描く上での作業工程みたいなものをご紹介させていただきます。
基本的にリアルなイラストもアニメ調のイラストもあまり変わりません。
得に全身像を描く場合は、共通の描き方と言うことに成ります。
実際には、ラフから始まり線画、彩色、陰影、衣装、装飾、最後に背景と成るわけですが、まずはその流れの中で自分なりに気を付けている事、感覚的につかんだ手法なども交えご紹介させていただきます。
では始まり始まり?パチパチ♪
下の画像を見ると、赤い中心線が分かると思いますが、これは別に描かなくても良いものですが、人物画、得に全身像で重心を考えながら大まかな線を描いていくと言う意味で理解していただくために赤い中心線を描いてます。

サラッと描いているようですが、このラフ線だけでも何本もの線を描き、その中で「これだな」と思える線を強調する事から始まります。
人物画で得に言われる《黄金比率》が有りますが、これは〔綺麗に見えるプロポーション〕での事であり、自分の中でこれがベストと思われる比率で描く方がその人なりを表現できると思います。
むしろ、《黄金比率》に拘って描く必要も無いと言うのが、私の感想です。(勿論、誰もが美しいと思うプロポーションを目指すなら必要ですが)
次の絵は、ラフから実際に線画を起こしていくわけですが、これも徐々に線を描き加え自分の中で一番良い線を選びながら修正を加えていきます。

パソコンソフトを使用する場合は、【レイヤー】と言われる機能を持つソフトを使うことがベストです。
レイヤー機能(ちょうど透明なフィルムに描いて何枚も重ねる感じ)
今ではフリーのソフトでもこの機能は当たり前に成っていますので、ラフ、線画、彩色、陰影、髪の毛などそれぞれに別々のレイヤーで描くことで後々の修正が楽になります。
と言う感じで線画の完成版が下の画像です。

ここで全ての線を描く必要は有りません。
有る程度仕上げた後でも、小物などの線も描き加える場合を考え、ラフのレイヤーも同じようにとっておきましょう。
(この線画の状態で仕上がり方が違うと言うことも理解してください。)
私はこの線画のレイヤーは最後に消すことに成るわけですが、アニメ調などではそのまま使う場合もありますし、次の作業【彩色】ではみ出た部分を消す補助にも成ります。
下の画像は、人物画で注意しなければならない【骨格】の関節部分をグリーンで表しています。
ブルーの線は、各々の関節部分を繋ぎ、不自然さが無いか確認するために描き加えたものです。

実際にはラフの状態から、実際に描いたり頭の中で注意しながらバランスを考え構図的に不自然さが無いかチェックしながら線画を完成させていきます。
次の絵は、陰影を描き加えた状態ですが、作業的には基本色(この場合肌色)を全体に塗り照明(光が当たる部分)を考えながらカラーの濃淡を付けていきますが、始めは色の濃さなどは気にせず、【物体は立体】と言うことを忘れずに自分の手足を見ながら、影の部分や明るい部分をイメージしていきます。

得にリアルを重視する場合などは写真などを参考にすると、人物像は単純な陰影では無いことが理解できると思います。
ここはかなりの根気が必要ですが、何度か繰り返すことで、イメージできるでしょう。
(人間の手や足、体は円形ではない、と言うことが基本です。その上で筋肉や骨格などがどのように陰影に影響しているか自分の体や写真で注意しながら覚えてください。)
実は、私も陰影(色の濃淡)がリアルに成るかアニメ調に成るかに重要な要素の一つであると感覚的に理解した部分です。
漫画やアニメが好きな方がイラストを描く上で忘れがちなことが、【人間には骨格と筋肉がある】と言うことなんです。
人物だけではなく、立体的なものには必ず有るもの、それが【陰影】です。
(理解してるつもりでもそれを実際に描くことは中々難しいものですが、根気と注意力が試される作業と言えるでしょう。
下の絵と上の絵の違いは、《強い光の陰影と自然な陰影》の違いですが、カラーの濃淡を強くすることで太陽の日差しを浴びたものと、部屋やスタジオ的な陰影が表現できます。

ここまで完成したら補助線などは要らないでしょう。
この後は、目や口、髪の毛、衣装と部分部分を描き加えて行くわけです。
美術系を目指した人なら当たり前の事ですが、人物を描く為には、【裸の状態】を意識しながらポーズを考え、その上で衣装を描く事で自然な人物画が描けるように成ります。
(だからってヌード写真集を買いなさいとは言わないですがw)
夏服でも冬服でも着ている人物の裸の状態を意識しながら描くことで自然なポーズが得られます。
下の絵が、一番簡単なドレスをまとった一つの完成と言える状態です。

勿論、衣装にも陰影があり、素材によっては透ける事も理解しながら彩色していきます。
(べた塗りでは無く、色を塗り重ねる様に彩色していく方法も有りますが、ソフトによっては【マスク】機能を活用することで、透けた部分を表現できる場合も有ります。今では一般的なソフトにはレイヤー機能とマスク機能は標準で利用できるようです。)
最後に、アクセサリーなどを加え、クローズアップと全体を交互に確認しながら仕上げていきます。
アクセサリーなど、身につけるものには必ず、重なる部分に影が生じる事を考えながら影も加えていきましょう。
と言うことで早足で作品の完成ですが、どれだけ根気が有るかで作品の完成度は違ってきます。
別に才能とかではなく、いかに多くの経験を積むかで善し悪しが決まると思ってください。
今回の作品は、イラスト講座の為に描き上げたもので、リアル画では有りませんが、細かな修正を加え陰影の追加、衣装などのきめ細やかさを加えていくことでアニメ調のイラストでもリアル画になります。

始めから「こんなの描けないよ」と諦めず、チャレンジして見ることで自分の作品がひと味違ったものと成りますので、根気よく頑張ってください。
さて?次回はどうなるんだろうね。(笑)
手や足など、部分的なものに視点を向けると言うのも良いかもしれないけど、気分次第と言うことでしょうね。(爆)
続けることで、私自身も何か発見できるかも知れないし、皆さんからの意見やコメントで書くかも知れませんので気長にお付き合い下さい。
◆ Re comments.
髪の毛・・・・そうですね~
実は次は顔の描き方と言うか、髪の毛も含めて出来たらなぁ~と思ってました。
今までの作品でと思いましたが、パソコン性能の関係上、要らなくなったレイヤーは削除して居たことに気がつき「ぎゃ~!」てな事に成ってます(^^;
こう言うところが私のダメな所ですよね(爆)
本来はスピードペインティングの様に早回し動画で下書きから見せられたら良いんですけど、24時間もかかる作業を録画ってのもどうかと思い(^^;
まぁ~次の作品とかで紹介できればと思ってます。
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